陽光
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著者
松嶋圭 -
装画
森田加奈子 https://moriita.com/ -
出版
イタリアの文学賞「フェルトリネッリ」を受賞した松島圭さんのデビュー作。松嶋さんの故郷である長崎・壱岐島の市井の人たちに聞き書きを行い執筆を行なった島の記憶の短編集。壱岐の土地言葉そのまま記録されていることもあり、静謐でありながらも細部は抑揚を持つ豊かな物語になっています。美しい装画は森田加奈子さん。具象的だけど、このたゆたうような風景は、実際に壱岐に赴いて島内を巡り、森田さんの身体を通して描かれたもの。島の空気や温度にとどまらず、物語に出てきた人々の憂いや観念、切なさや温かさも描かれているかのようです。この装画が物語を包むように、裏表紙まで全体に配置しました。また、松嶋さんは日本よりも先に海外で評価されたこともあり、(個人的にも好きでそれなりに読んでいる新潮社クレストブックスのような)海外文学のような、どこか異国を感じるような装丁に仕上げました。この本が光を放ち、彼方まで届くことを願っています。