みやまの森こども園
あそぶことは、生きていく力を育むこと
長崎県諫早市の『みやまの森こども園』のコンセプトプランニングとアートディレクションを行いました。子どもたちは美しさや機能性の判断基準を他者や周囲の環境じゃなく、自分の中に持っている最も厳しいクライアントであると常々思っています。だからこそ、媚びたものではなく、本能的に喜ぶデザイン、またデザインされていることに気付かずに享受でき、支えになっていくものを届けたいなと思っています。今回、旧園舎に長い間、園児たちを見守ってきた象徴的な大きな楓の木がありました。建築上どうしても伐採せざるをえなくなり、せめて記憶の継承ができればと思い、シルヴァスタインの絵本『おおきな木:原題 The Giving Tree)をデザインのエッセンスのひとつとしました。 この園にはいわゆる遊具がありません。その変わりに『西海園芸』の庭師、山口さんが五感を使って遊ぶ庭を作られました(この園庭で緑の環境デザイン賞で大賞を受賞。)。四季折々の食べれる果樹、天然の水を引いて小さな川を作り、そこからまた水を引いて田んぼ作った前庭。そして、古墳の様な小高い丘と洞穴のような隠れ家がある中庭。“本物しか使っていません。だから虫も来ます。怪我もします。でも、それで良いんです”。と、きっぱり。決められた範囲の中ではなく、子どもたちが自由に、そして考えて、遊ぶこと=生きていく力を育むこと。と、それはいつも僕も大切にしていることであり、嬉しくなりました。
長崎県諫早市の『みやまの森こども園』のコンセプトプランニングとアートディレクションを行いました。子どもたちは美しさや機能性の判断基準を他者や周囲の環境じゃなく、自分の中に持っている最も厳しいクライアントであると常々思っています。だからこそ、媚びたものではなく、本能的に喜ぶデザイン、またデザインされていることに気付かずに享受でき、支えになっていくものを届けたいなと思っています。今回、旧園舎に長い間、園児たちを見守ってきた象徴的な大きな楓の木がありました。建築上どうしても伐採せざるをえなくなり、せめて記憶の継承ができればと思い、シルヴァスタインの絵本『おおきな木:原題 The Giving Tree)をデザインのエッセンスのひとつとしました。 この園にはいわゆる遊具がありません。その変わりに『西海園芸』の庭師、山口さんが五感を使って遊ぶ庭を作られました(この園庭で緑の環境デザイン賞で大賞を受賞。)。四季折々の食べれる果樹、天然の水を引いて小さな川を作り、そこからまた水を引いて田んぼ作った前庭。そして、古墳の様な小高い丘と洞穴のような隠れ家がある中庭。“本物しか使っていません。だから虫も来ます。怪我もします。でも、それで良いんです”。と、きっぱり。決められた範囲の中ではなく、子どもたちが自由に、そして考えて、遊ぶこと=生きていく力を育むこと。と、それはいつも僕も大切にしていることであり、嬉しくなりました。
かわいさよりも、手がかりになるようなものを
緑豊かで水流も豊富で風通しもよく、園の内外に四季折々の本物の色が溢れることから園舎内のサインに、カラフルな色は必要ないと判断しました。同時に、子どもたちが今はわかならくても、おとなになったときに、ふいに思い出すようなストーリーを考えていきました。また、「かわいい」という感情は、自分よりも小さき者へ感じるほっとけなさや、あわれみの感情を孕んでいます。なので、かわいいと感じるものよりも、へんてこに感じたり、ふしぎに感じたり、ちょっと畏怖だったり、想像力を育むもの、道標になるようなものが良いなと良いなと思いました。制作は、木工作家の『nishimokko』の西村さんにお願いしました。西村さんは諫早で学生時代を過ごしたこともあり、子どもたちにとって近しい人が関わることで、あこがれであったり、ふるさとへの想いを育んでほしいとも思いました。 各クラスのストーリーと、タイポグラフィと、モチーフを伝え、あとは西村さんに自由に、楽しんで作っていただきました。園舎の落成式では子どもと真剣に向き合った大人たちの結晶に諫早市長をはじめ、来賓の方も感嘆の声を上げていました。今後、一時保育に加え学童も敷地内につくる予定です。0歳児から12歳までの子ども時代の礎を築くことになります。この五感が育まれ、地域の子育て支援の核となる場所で、すくすくと自由に育って欲しいと切に願います。
緑豊かで水流も豊富で風通しもよく、園の内外に四季折々の本物の色が溢れることから園舎内のサインに、カラフルな色は必要ないと判断しました。同時に、子どもたちが今はわかならくても、おとなになったときに、ふいに思い出すようなストーリーを考えていきました。また、「かわいい」という感情は、自分よりも小さき者へ感じるほっとけなさや、あわれみの感情を孕んでいます。なので、かわいいと感じるものよりも、へんてこに感じたり、ふしぎに感じたり、ちょっと畏怖だったり、想像力を育むもの、道標になるようなものが良いなと良いなと思いました。制作は、木工作家の『nishimokko』の西村さんにお願いしました。西村さんは諫早で学生時代を過ごしたこともあり、子どもたちにとって近しい人が関わることで、あこがれであったり、ふるさとへの想いを育んでほしいとも思いました。 各クラスのストーリーと、タイポグラフィと、モチーフを伝え、あとは西村さんに自由に、楽しんで作っていただきました。園舎の落成式では子どもと真剣に向き合った大人たちの結晶に諫早市長をはじめ、来賓の方も感嘆の声を上げていました。今後、一時保育に加え学童も敷地内につくる予定です。0歳児から12歳までの子ども時代の礎を築くことになります。この五感が育まれ、地域の子育て支援の核となる場所で、すくすくと自由に育って欲しいと切に願います。