福岡市平尾の「ひらおほいくえん」のアートディレクションとサイン計画を行いました。
平尾は福岡市の都心部で、屈指の人気のある場所でもあり、近年は益々人口が増えており、今後も大きなマンションが次々に建っています。そんな中、「木石舎」さんと、「ワークス」さんは、木造の園舎を設計されました。通りに面した外構部には「西海園芸」の山口陽介さんによる、四季折々の実のなる植物。威圧感のある建物が建ち並んでいく中で、今後この木造の園舎と緑は、平尾という町全体の「留まり木」のように、くつろぎ、ほぐしていくような場になっていくと感じました。
なので、園舎を止り木に、子どもたちを小鳥に見立て、デザインを進めていきました。地域の人たちにとっては、子どもたちの賑やかな声も、森の中で聞く鳥の鳴き声のように、ほがらかな気持ちで耳を立てれるようにと。地域と園とをつなぐサインは、羽の生えたような、ひらがなの文字で、愛らしく。園内のサインは清潔感とやさしい質感のホーローを、原田琺瑯の原田康幸さんに作って頂きました。表面には図柄、裏面にクラス名を。突き出しの“枝”は、木工家の西村洋一さんに。イメージとストーリーを伝えていたら、こっそり枝の中に木の妖精も。西村さんのこういう遊び心が、子どもの空間には、うれしいです。子どもたちが、この温かな園舎での記憶と小さな羽を持って、大きな空へ羽ばたいていくことを願います。
設計・監理:木石舎/設計機構ワークス
園庭:山口陽介 (有限会社 西海園芸)
アートディレクション・デザイン:中川たくま
サイン製作:原田琺瑯製作所/西村洋一(nishimokko)