戦争とおはぎとグリンピース

昭和29年、高度経済成長の幕開けとされたその頃。未だ生活の中には戦争の記憶が生々しく残っていました。戦地から息子の無事の生還を祈り母が作り続けたおはぎ、満州から引き揚げの際、決して手離さなかった母の形見の鉄鍋。羊羹、ライスカレー、グリンピース。新聞の小さな投稿欄に登場する食べ物には家族のため必死で生き抜いた女性たちの戦争と戦後が浮かび上がります。強さと優しさが胸を突く42編の昭和の記憶です。

著者 / 西日本新聞 婦人読者

装画 / 田中千智

装丁 / 中川たくま

出版 / 西日本新聞社