京都の保育園「みょうりんえん」のコンセプトプランニングとクリエイティブディレクション。「たいようのしずく」というコンセプトを立てて、見えないけれど感じること、見えないものを創造すること、そんな事を子どもたちに伝えればと。ロゴマークのデザインは、たいようのしずくや、みょうりんえんのMのシルエット、園児を中心とした園庭(木々)や地域の人たちを表しています。
コンセプトに沿って今年からクラスルームの名前がそら(宙)組、ほし組、にじ組、はな組、わかば組、つくし組に変わりました。成長に合わせてサインの高さも調整(つくし組みは赤ちゃんに合わせて)。一階は「かえでフロア」、二階は「けやきフロア」と名前が付いています。クラスルームの文字を書き起こして切り文字で。小さなとことですが切り文字は、フロアに合わせてそれそぞれ楓の木、欅の木で作りました。階段のサインは子どもたちに空間認識と、形としての数字ではなく、概念としての数を伝えています。
「ルピナスさん」という絵本があります。子どもの頃、おじいさんから「世の中を、もっと美しくするために、何かをしてもらいたいのだよ。」と約束したルピナスさんはおばあさんになったとき、おじいさんとの約束を果たします。誰かを想う小さな行為が、世界をもっと優しく、美しくしてくれると信じてやみません。自己と周囲との世界を認識、そして信頼を育んでいくこの園での子どもたちのこれからが本当に楽しみです。
設計・監理:設計機構ワークス
クリエイティブディレクション・デザイン:中川たくま
サイン製作:宮内知子/原田琺瑯製作所