熊本県宇城市。数十年、途絶えていた「田の神さままつり」を今後、伝承しやすようにリデザイン。
田の神さまは、本来は山の神さま。春に里に降りてきて、田の神さまになり、稲刈りが終わると山に帰ります。田植えに先立ち、山の草や葉っぱを田んぼの泥に踏み込む「刈敷」は肥料としてだけではなく、山の草や木々(山の神さま)を田んぼに移すことで田んぼを守ってくれるという民間信仰的側面もあったと民俗学者の坪井洋文氏は綴っていました。
なので、畔に竹で社を立て、田の神さまの依代として笹の葉(湯立神事にも使う)で舟をつくることにしました。笹舟の作り方は親や祖父母さんに教えてもらって、子どもたち自身がつくりました。田んぼに水を張ったら、田の神さまはその舟で田んぼに降りて、田んぼを守り、実りをもたらしてくださる。見えないものや、土地と自分とのつながりも感じてくれたらと。
コミュニケーション・デザイン:中川たくま