世田谷へ
母と子のこころの相談所を開設する臨床心理士の久野さんと三限茶屋駅で、待ち合わせ。ちょうどすれ違いで福岡にいらっしゃる学芸員の上原さんに「福岡、暑いですのでご自愛ください」とメールを送っていたのに、東京の方が暑かった…。改札で久野さんが待っていて下さり、世田谷線に。朗らかな駅舎と車掌が京都の嵐電を思い起こさせる。ガタンゴトンと、車窓から眺める街並みは、先ほどまでいた渋谷と違い、何だかのんびりして落ち着く。高架じゃないのもあるだろう。「松陰神社前駅」で降りて、松陰神社通り商店街を歩く。昔ながらの個人商店がたくさん並び、かつて個人商店があったと思われる場所では、新しい人たちが、本屋やカフェ、カレー屋さんなど懐かしさを感じさせながらも、今の感覚で店を営んでいる。「なかがわさんに、この町の空気を感じて欲しくて」と、久野さん。そう思って下さるのが嬉しかった。一通り一緒に歩いたあとは、この町の氏神様である「松陰神社」へ。風通しの良い境内。隅々にまでこの町の人たちが愛していることが伝わった。
松陰神社近くのパーラーへ。打ち合わせに先だって、イギリスの小児科医であり精神科医でもある、ドナルド・ウィニコット先生の著作を数冊読んでいた(もっと平易な言葉で子育て中の人たちに届けばと思う)。デザインのインスピレーションも、ウィニコット先生が提唱した、「ほどよい母親(good enough mother)」、「ライナスの毛布、移行対象(transitional object)」、「独りでいる(いられる)能力(the capacity to be alone)」などから。親しみがありつつ、どこかアカデミックな雰囲気もあるものが着地点になるだろう。デザインのためのヒアリングは、いつもカウンセリングの様だと感じる。答えはすでにその人の心の井戸の中にあって、それを探しに階段を一緒に降りていく。ゆっくりと。仄暗い長い階段の先に、朧げに光が見えてくる。
松陰神社近くのパーラーへ。打ち合わせに先だって、イギリスの小児科医であり精神科医でもある、ドナルド・ウィニコット先生の著作を数冊読んでいた(もっと平易な言葉で子育て中の人たちに届けばと思う)。デザインのインスピレーションも、ウィニコット先生が提唱した、「ほどよい母親(good enough mother)」、「ライナスの毛布、移行対象(transitional object)」、「独りでいる(いられる)能力(the capacity to be alone)」などから。親しみがありつつ、どこかアカデミックな雰囲気もあるものが着地点になるだろう。デザインのためのヒアリングは、いつもカウンセリングの様だと感じる。答えはすでにその人の心の井戸の中にあって、それを探しに階段を一緒に降りていく。ゆっくりと。仄暗い長い階段の先に、朧げに光が見えてくる。